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マンション管理における高齢化以外の問題点 修繕積立金の問題

前回記載した高齢化の問題以外にも以下のような問題があります。

1、修繕積立金の不足や不適切な運用による修繕金不足

管理組合が機能している場合は、長期修繕計画等がきちんと計画され積立金の計画や現状・妥当性等が組合にきちんと提示・確認されていることでしょう。

そうでない場合、ここが問題です。

一般的には第一回の長期修繕計画案は管理会社から提示されていることが多いと思われます。

ただし、それが適正で現状に合っているかは別問題です。

多くの場合、販売時点で管理費や積立金を安く提示し、毎月の支払額(ローン返済金・管理費・積立金等)を低く抑えて支払額を安いと誤解させるような計画になっている可能性があります。

購入する場合は長期修繕計画の積立金の妥当性を気にする人は左程多くはないからです。

長期修繕計画があるというだけで安心してしまうことが多いからです。

修繕積立金の計画は安く見積もられていることが多いと記載しましたが、管理会社によってはかなり高く見積もっている場合もあるのです。

管理会社が大規模修繕をあっせん・請け負うことが多く手数料を多く受け取ることができるからです。

適正・妥当な金額か?専門家に見てもらうことが最も重要です。

 

積立金の運用は適正か?

また、積立金の運用についても購入時点では管理会社任せで組合での適正管理ができているのか多くの人には理解できません。

もちろん多くの管理会社は適正に管理しているものと思いますが、今のご時世の低金利時代に一般的な定期預金で運用してよいものか?

今の金利は多くのメガバンクの定期預金で0.002%(100万円で20円の利息)では運用するメリットはありません。

ですが定期預金金利は銀行によりさまざまです。場合によってはメガバンクの100倍もの金利を設定している場合もあるのです。

ここでは積立金をどう運用するかは言及しませんが組合として考えることは重要だと思われます。

そのほかにも管理会社ではなく理事長が総会で決められ、管理会社ではない個人(仮に一時的にでも)だった場合等、不正な運用がなされていないとも限りません。

 

修繕積立金の問題については今日のところはこれでやめておきますが、このほかにも詳細にみると指摘される部分は多いと思われます。

 

 

 

管理組合の理事会運営上の問題、例えば役員報酬

「役員報酬」って決まっていますか?

前にも役員の定数や選出方法について記載させていただきましたが、具体的な問題の一つとして「役員報酬」の問題があると思います。

これには有償と無償と言う考え方に二分されているようで、それぞれ根拠として「有償」の場合は役員をやる区分所有者とやってない区分所有者間の不公平を解消する意味で。

「無償」の場合は、自分たちのことを処理するのだから・・・と言う意味で。

これはどちらが正しい・間違いと言う問題ではありません。

有償としているマンションは総じて規模が大きく、輪番制として決められた役員が理事会にほとんど参加しない(できない)という区分所有者があるからのようです。

そのようなことを防ぐために、参加が難しいことが初めから想定され場合には「役員を免除(若しくは辞退)して次へ回す」というようなことがあると引き受けていただいた区分所有者へ「申し訳ない」と言う部分と合わせて、
感謝の意味を含めて仕事としてしっかりやってもらうためにも報酬が必要ではないかという訳です。

逆に言えば、役員を免除(若しくは辞退)した場合は「その分負担してもらう」と言う考え方もあるわけですね。

大規模となると役員としての仕事量も中小のマンションと比べて多く、その負担も多くなるからでしょう。

もちろん中小のマンションだからそこの部分を無視してもよいというわけではありません。

規模の大小にかかわらず、仕事としては変わらないから・・・という考え方もあるからです。

ですが、報酬がある場合は「その支出に見合う仕事をちゃんとしているのか?」と言う区分所有者からの要求が高くなる傾向は防げないようです。

仕事内容というより、理事回答へ参加する場合の時間拘束料としての報酬とすれば上記のようなこともなくなると思いますが、難しい問題ですね。

このあたりのことは昨今問題になっている「道徳感」の問題であるような気がします。

お互いがお互いのことを思いやれば、そんな言い方はしないと思うのですが・・・。

管理組合の運営を円滑に行うために「理事会議事録」を有効に活用しましょう!

理事会議事録について

マンションの管理組合において理事会は

1管理会社の月次報告書のチェック

2組合内に於けるトラブルや問題点の確認・対策・その実施について(各種営繕工事・劣化対策等を含む)

3トラブルや問題点の確認・対策・その実施(規約の改定や法改正によるもの)についての対応

4役員・専門委員の選定(委託)についての対応etc・・・・、等多くの役割があります。

特に定例で重要なものが「1管理会社の月次報告のチェック」です。

管理会社から毎月上がってくる月次報告書をきちんとチェックする必要があります。

委託している業務内容がしっかり実施されているのか?各種営繕工事の内容・施工価格に問題はないか?予定外の項目はないか?

適正な管理実施で適正な委託管理費となっているのか?大切な管理費(各区分所有者が負担している)の使い途をしっかり確認しましょう!!

 

2組合内に於けるトラブルや問題点の確認・対策・その実施について~

は直接理事会へ報告されていることばかりでなく、日頃マンション内共用部分を清掃管理してもらっている「管理員」さんが住民との世間話の中から上がってくる「住民の不満や気になっている事」等の問題があります。

この様な問題について理事会が把握できていればそこのマンションの理事会の運営管理は十分に機能が果たされているということになります。

3管理運営上の問題~

は、管理会社の管理レベルによるところが大きい様です。

担当フロントマンが問題意識を持って仕事をしているマンションでは、その部分についての「提案」が理事会になされて審議されることでしょう。

というように理事会の議事録をさかのぼって確認すればどの様な経緯で今の管理組合の運営になったのかがわかりますし、任期の短い新しい役員さんでも理事としての仕事に役立てることが出来ます。

一人の人がずっとその役職をやっている場合は別ですが、多くの場合はそうではありませんので、時間があるなら理事会議事録を確認して見てはいかがでしょうか?

これは管理会社へ言えばすぐに揃えてくれるはずですが、もし時間がかかるようであればそこの管理会社の業務内容をチェックしてみるほうが良いかもしれませんね。

管理組合の理事会に於ける役員と役割、理事会の開催準備について

管理組合の役員・役職とは

基本的には「理事長・副理事長・会計担当理事・監事」ということになりますが、マンションの規模によって「書記担当・広報担当・施設営繕担当・防犯担当」等の役割を分担させることも必要でしょう。

そこのマンションの規模に応じて役割分担・統合を行ってなんでもかんでも「理事長にお任せ!」として理事長へ職責を集中させないことが大事であると思われます。

その他にも専門委員会を設置して、組合で生じる不定期な問題を処理してもらうようなことも考えて良いでしょう。

不定期に生じる問題とはどのようなことがあるのか?

例えば大規模修繕工事・規約・細則の改定等があります。

この専門委員会は理事会のみの判断で設置が可能です。但し、専門委員会の単独での業務や総会の招集などは出来ません。

あくまでも理事会の委託によるものであり、責任は理事会に帰属します。

理事会のにおける理事長の役割ですが、招集は理事長が行い、議長も理事長が努めます。

理事長は管理組合の代表ではありますが、理事会はそこの役員の知恵を集めて各役員の参加意欲を高めて組織力を高めるといったようなこともその役目の一部であります。

俺が俺が!ではなく、役員全員の知恵で組合の管理運営業務を行って行かなければなりません。

 

理事会開催の事前準備

また理事会の開催にはそれなりの準備が必要となります。

単に開催する時期だから・・・、では行き当たりばったりになり時間の無駄となってしまいかねません。

とはいえ、完璧な準備が必要というわけではありません。

テーマ(議題)をいくつか用意して事前に提示しておくことで参加される理事さんも前もって意見を考え、まとめたりすることでスムーズな理事会の進行が出来ます。

更に、問題意識の共有が可能になることで充実した理事会の内容となることでしょう。

理事会がきちんと機能して管理組合の運営が何事もなく平穏に進むためにはどうしたらよいのでしょう!?

理事会をしっかり機能させるためには!?

まずは、理事会の役員をしっかり選任することです。

役員の選出方法については、区分所有法や標準管理規約には規定されていません。とはいえきちんと選出方法・任期を決めて置かないと任期切れの度に選出の苦労が発生します。

通常は輪番制や抽選制、もしくは立候補制などが一般的な方法ですが、どの方法にするのか総会でしっかり決めておきましょう。(一般的には原始管理規約※に記載があります)

※マンションが最初に販売されたときに用意されている基本管理規約のこと、多くの場合標準管理規約が適用されていますが、後でそのマンションに合った規約に変更することが大事です。

立候補による役員の場合は利点として組合運営に活気が出て好ましいのですが欠点として長期政権となり利益誘導などの弊害が出てきやすくもなります。

輪番制は公平に役員が回ってくるのですが、当番時に「何もしないで任期がすぎるのを待つだけ・・・」という人がいたりすると管理業務が停滞したり混乱したりすることにもなりかねません。

管理組合の運営は役員のやる気・資質に左右される場合がほとんどです。

やる気のない理事長・理事となった場合は特に組合の活動が停滞します。やる気のない理事長・理事はその人気が過ぎるのをじっと待っているだけで問題を先送りするからです。

自分たちの組合に最も合う方法で役員を選出し、適切な管理運営ができるよう一人ひとりの区分所有者の積極的な運営への参加と役割分担が重要な鍵になります。

最も注意が必要なのは管理費の滞納を放っておくことです。管理会社は最終的に責任を取りませんし、最後は組合が処理すべき問題だからです。

管理費の滞納は短期消滅時効ということで5年間何も催告等を行わないと、債権として消滅(組合の損金として処理するしかないことになります)してしまいかねません。

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