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管理組合運営上の問題は?

全国的に戸建ての住居よりも集合住宅への居住割合が年々増加、特に都市部ではその増加傾向は著しくなっています。更に築年数の増加による経年劣化の問題・居住者の高齢化に伴う役員のなり手不足・ペット・駐車場・騒音等の問題、修繕積立金不足・各種修繕工事の対応・民泊への対応、良好なコミュニティーの形成etc、etc等の多くの問題が噴出しています。

居住するマンションの管理規約は時代に合っていますか?その2-1

2019/04/20

居住するマンションの管理規約の改定について

昨年(2018年)の3月にマンションにとって管理規約は国の憲法に値するものです。というタイトルで規約に関する記事をアップしたことがあります。

詳細はこちらから

改めてポイントを記載しますと、

マンションで暮らす以上はルールとしての管理規約が定められていること。

これは国交省の「標準管理規約」が元になっていること。

特に分譲マンションの場合は法令改定に準拠して改定されていること。

時代に合わせた管理規約改定はマンションの資産を守るために必要不可欠であること。

中古マンションの売買や購入の際には特に規約の確認が大切になります。その規約次第で暮らしやすさや使い勝手が異なるからです。

とはいえ、規約があるからと言って安心はできません。

新築時のまま改定されていない、1983年以前の設定や改定で以後更新されていない、規約よりも習慣が優先されている、等々が当てはまるなら急いで管理規約を改定する必要があります。

管理組合の理事会運営上の問題、例えば役員報酬

「役員報酬」って決まっていますか?

前にも役員の定数や選出方法について記載させていただきましたが、具体的な問題の一つとして「役員報酬」の問題があると思います。

これには有償と無償と言う考え方に二分されているようで、それぞれ根拠として「有償」の場合は役員をやる区分所有者とやってない区分所有者間の不公平を解消する意味で。

「無償」の場合は、自分たちのことを処理するのだから・・・と言う意味で。

これはどちらが正しい・間違いと言う問題ではありません。

有償としているマンションは総じて規模が大きく、輪番制として決められた役員が理事会にほとんど参加しない(できない)という区分所有者があるからのようです。

そのようなことを防ぐために、参加が難しいことが初めから想定され場合には「役員を免除(若しくは辞退)して次へ回す」というようなことがあると引き受けていただいた区分所有者へ「申し訳ない」と言う部分と合わせて、
感謝の意味を含めて仕事としてしっかりやってもらうためにも報酬が必要ではないかという訳です。

逆に言えば、役員を免除(若しくは辞退)した場合は「その分負担してもらう」と言う考え方もあるわけですね。

大規模となると役員としての仕事量も中小のマンションと比べて多く、その負担も多くなるからでしょう。

もちろん中小のマンションだからそこの部分を無視してもよいというわけではありません。

規模の大小にかかわらず、仕事としては変わらないから・・・という考え方もあるからです。

ですが、報酬がある場合は「その支出に見合う仕事をちゃんとしているのか?」と言う区分所有者からの要求が高くなる傾向は防げないようです。

仕事内容というより、理事回答へ参加する場合の時間拘束料としての報酬とすれば上記のようなこともなくなると思いますが、難しい問題ですね。

このあたりのことは昨今問題になっている「道徳感」の問題であるような気がします。

お互いがお互いのことを思いやれば、そんな言い方はしないと思うのですが・・・。

管理組合の運営を円滑に行うために「理事会議事録」を有効に活用しましょう!

理事会議事録について

マンションの管理組合において理事会は

1管理会社の月次報告書のチェック

2組合内に於けるトラブルや問題点の確認・対策・その実施について(各種営繕工事・劣化対策等を含む)

3トラブルや問題点の確認・対策・その実施(規約の改定や法改正によるもの)についての対応

4役員・専門委員の選定(委託)についての対応etc・・・・、等多くの役割があります。

特に定例で重要なものが「1管理会社の月次報告のチェック」です。

管理会社から毎月上がってくる月次報告書をきちんとチェックする必要があります。

委託している業務内容がしっかり実施されているのか?各種営繕工事の内容・施工価格に問題はないか?予定外の項目はないか?

適正な管理実施で適正な委託管理費となっているのか?大切な管理費(各区分所有者が負担している)の使い途をしっかり確認しましょう!!

 

2組合内に於けるトラブルや問題点の確認・対策・その実施について~

は直接理事会へ報告されていることばかりでなく、日頃マンション内共用部分を清掃管理してもらっている「管理員」さんが住民との世間話の中から上がってくる「住民の不満や気になっている事」等の問題があります。

この様な問題について理事会が把握できていればそこのマンションの理事会の運営管理は十分に機能が果たされているということになります。

3管理運営上の問題~

は、管理会社の管理レベルによるところが大きい様です。

担当フロントマンが問題意識を持って仕事をしているマンションでは、その部分についての「提案」が理事会になされて審議されることでしょう。

というように理事会の議事録をさかのぼって確認すればどの様な経緯で今の管理組合の運営になったのかがわかりますし、任期の短い新しい役員さんでも理事としての仕事に役立てることが出来ます。

一人の人がずっとその役職をやっている場合は別ですが、多くの場合はそうではありませんので、時間があるなら理事会議事録を確認して見てはいかがでしょうか?

これは管理会社へ言えばすぐに揃えてくれるはずですが、もし時間がかかるようであればそこの管理会社の業務内容をチェックしてみるほうが良いかもしれませんね。

管理組合の理事会に於ける役員と役割、理事会の開催準備について

管理組合の役員・役職とは

基本的には「理事長・副理事長・会計担当理事・監事」ということになりますが、マンションの規模によって「書記担当・広報担当・施設営繕担当・防犯担当」等の役割を分担させることも必要でしょう。

そこのマンションの規模に応じて役割分担・統合を行ってなんでもかんでも「理事長にお任せ!」として理事長へ職責を集中させないことが大事であると思われます。

その他にも専門委員会を設置して、組合で生じる不定期な問題を処理してもらうようなことも考えて良いでしょう。

不定期に生じる問題とはどのようなことがあるのか?

例えば大規模修繕工事・規約・細則の改定等があります。

この専門委員会は理事会のみの判断で設置が可能です。但し、専門委員会の単独での業務や総会の招集などは出来ません。

あくまでも理事会の委託によるものであり、責任は理事会に帰属します。

理事会のにおける理事長の役割ですが、招集は理事長が行い、議長も理事長が努めます。

理事長は管理組合の代表ではありますが、理事会はそこの役員の知恵を集めて各役員の参加意欲を高めて組織力を高めるといったようなこともその役目の一部であります。

俺が俺が!ではなく、役員全員の知恵で組合の管理運営業務を行って行かなければなりません。

 

理事会開催の事前準備

また理事会の開催にはそれなりの準備が必要となります。

単に開催する時期だから・・・、では行き当たりばったりになり時間の無駄となってしまいかねません。

とはいえ、完璧な準備が必要というわけではありません。

テーマ(議題)をいくつか用意して事前に提示しておくことで参加される理事さんも前もって意見を考え、まとめたりすることでスムーズな理事会の進行が出来ます。

更に、問題意識の共有が可能になることで充実した理事会の内容となることでしょう。

理事会がきちんと機能して管理組合の運営が何事もなく平穏に進むためにはどうしたらよいのでしょう!?

理事会をしっかり機能させるためには!?

まずは、理事会の役員をしっかり選任することです。

役員の選出方法については、区分所有法や標準管理規約には規定されていません。とはいえきちんと選出方法・任期を決めて置かないと任期切れの度に選出の苦労が発生します。

通常は輪番制や抽選制、もしくは立候補制などが一般的な方法ですが、どの方法にするのか総会でしっかり決めておきましょう。(一般的には原始管理規約※に記載があります)

※マンションが最初に販売されたときに用意されている基本管理規約のこと、多くの場合標準管理規約が適用されていますが、後でそのマンションに合った規約に変更することが大事です。

立候補による役員の場合は利点として組合運営に活気が出て好ましいのですが欠点として長期政権となり利益誘導などの弊害が出てきやすくもなります。

輪番制は公平に役員が回ってくるのですが、当番時に「何もしないで任期がすぎるのを待つだけ・・・」という人がいたりすると管理業務が停滞したり混乱したりすることにもなりかねません。

管理組合の運営は役員のやる気・資質に左右される場合がほとんどです。

やる気のない理事長・理事となった場合は特に組合の活動が停滞します。やる気のない理事長・理事はその人気が過ぎるのをじっと待っているだけで問題を先送りするからです。

自分たちの組合に最も合う方法で役員を選出し、適切な管理運営ができるよう一人ひとりの区分所有者の積極的な運営への参加と役割分担が重要な鍵になります。

最も注意が必要なのは管理費の滞納を放っておくことです。管理会社は最終的に責任を取りませんし、最後は組合が処理すべき問題だからです。

管理費の滞納は短期消滅時効ということで5年間何も催告等を行わないと、債権として消滅(組合の損金として処理するしかないことになります)してしまいかねません。

理事会の役職、しっかりその職務について理解していますか? その弐

理事会の役職

監事

監事とは団体の業務運営と財産状況をチェックする役割を言います。理事会の理事とはこの点で役割が異なります。

わかりやすく言えば、理事会を監査する「お目付け役」と言う感じでしょうか。

理事会の業務が総会の決定や法令・規約に反していないかを第三者的な見地からチェックする役目です。

特に決算期には管理組合の財産が健全に運営されているか?会計をチェックする役目なのです。

ですから監事は組合員であっても理事ではありません。なので理事会の決議に加わることはできませんし、立場的には理事会を監視するのが仕事になります。

この辺が最も誤解されている部分になります。

理事に比べると比較的に楽な仕事のようですが、管理組合の公正で適切な運営のためには、是非とも無くてはならない存在なのです。

ではどのような人が監事として適任なのか?

一番良さそうなのは前期の理事長や会計担当理事ではないでしょうか?前期の経験があり、会計の中身もご存知ですので適任でしょう。

もしくは「お目付け役」としての監事であれば、「直近の○年間は理事でなかった人」というように制限をつけて任命するのもありでしょう。

理事会の内容を知っていて、監視も十分に可能だと思われるからです。

次回は理事会をしっかり機能させるためには!? というタイトルで記載します。

理事会の役職、しっかりその職務について理解していますか? その壱

2019/02/02

理事会の役員については一部に誤解があるようなので、この機会にきちんと整理してみようと思います。

理事会の役職

理事長

理事長は理事会を代表するだけでなく、区分所有法にある「管理者」として管理組合を代表します。

対外的には事業者との折衝、契約の締結、訴訟の提訴などを行い、組合内部に対しては管理費滞納者への督促、ルール違反者への勧告や指導、訴訟の提起などを行います。

また組合で行われる会議を統括し、総会の招集・議長となり・議事録を作成するなどの業務を行います。

副理事長

副理事長は文字通り理事長を補佐し、理事長が病気の時などはその代理(代行)を務める必要があります。

理事長が元気な場合は、さほど出番はないので重要な役職と言えないようですが、もし理事長が独裁であった場合はその理事長に対して意見する役割でもあります。

また逆に理事長が業務執行能力に欠けるような場合は、理事長をリード・補完する役割でもあります。

組合によっては、「次期理事長として副理事長が補佐を務める」というような役割として位置づけているところもあるようです。

いずれにしても、理事長・副理事長は組合にとって重要な区割りであるということになります。

次回は最も誤解がある「監事」について記載したいと思います。

管理組合の運営 1 理事会の役割・運営 その壱

2019/01/26

理事会の役割とは!?

管理組合において最高の意思決定機関は区分所有者全員で開催される「総会」であることは周知のとおりです。

とはいえ、日常の細々とした業務まで総会を開催して決定するというわけにも行きませんよね。そこで「理事会」という執行機関を設けて「総会」で付託された業務や規約で定められた業務を実行しているわけです。

「管理会社へ管理委託してるのだからは不要では!?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかしながら全部管理会社へおまかせではその「管理会社がどのような管理業務を行っているのか?」をチェックすることができません。

この部分が理事会が必要である一番の理由です。

総会で決定したことをきちんと管理会社が実施しているか?チェックして総会の意思を実現させることが「理事会の重要な役目」なのです。

各年度ごとに実施予定とされる様々な事業をいつ、誰が、どのように、いくらで実施したのか?区分所有者の負担した管理費を取り扱う代表として確認する必要があります。

業者の選定方法や、見積り方法、仕様書の内容等などの確認も必要です。ここをきちんとすれば過大な費用を抑え、希望される仕様での施工の実施が容易になります。

理事会は意思決定機関ではないので、総会での決議を経ない業務の実施権限はありません。もちろん、総会で「~に関する業務については理事会に委任する」という決議がなされていれば別です。

理事会がキチンと機能しているからと言って区分所有者は何もしなくて良いわけではありません。

より良いマンションライフにするためにも、できることなら「区分所有者一人ひとりが積極的に組合の運営に参加していただきたい」ものですね。

管理員さんの業務はどんなことでしょうか? 2 管理員さんのチェックポイントは!?

2018/11/03

管理員さんのチェックポイントは!?

前回の続きです。

管理員業務について前回記載しましたが、しっかりと業務遂行している管理員さんとやる気あるの?という管理員さんとの違いはどこにあるのでしょうか?

仕事においてはどのような仕事でも言えることだと思いますが、「意欲を持って仕事に取り組んでいるかどうか?」だと思われます。言い方を変えれば「仕事に誇りを持っているか?卑屈になっていないか?」ということです。

ではチェックすべきポイントとして以下のことが挙げられます。

1 全居住者へ公平に接しているか?
 当然人間ですから好き嫌いは生じますがその感情を表に出すようでは「サービス業」である管理員としては失格と言わざるを得ないでしょう。

2 話好きであるかどうか? 
 愛想がよく誰とでも話ができることは悪いことではありませんが、良し悪しがあります。個人のプライベートについて本人以外の人ととの話題にしては問題でしょう。とはいえ一人暮らしの高齢者の話し相手や居住者への相談相手(個別の秘密は厳守)としての話であれば良いのではないでしょうか?

3 カギの取扱に慎重であるかどうか?
 マンションの各設備のカギ、現在は簡単にコピーが作れる時代ですのでその取扱には慎重さが求められるのは当然でしょう。加えて居住者のカギを簡単に預かるようであれば問題でしょう。第三者の立ち会いのもとで預かるのはOKですが・・・・。特別な場合、例えば排水管洗浄の実施の場合どうしても都合が悪く立ち会えないなどという場合は預かったほうが良いと思われます。そこを実施しなかったために漏水事故が発生することもあり得るからですね。

4 地域との関係
 町内会などの連絡受け継ぎなどに役立つ場合もあり、このような場合は管理員は組合代表にもなりえます。

5 制服をきちんと着用しているか?
 基本的な仕事に対する姿勢の現れでしょう。だらしない服装である場合清掃等も比例してしまいます。管理員さんはそのマンションの「顔」でもあるのです。

6 玄関周りの清掃をきちんとしているか?
 ここは大変重要なポイントです。清掃具合を見ればその管理員さんの仕事振りが想像できますよね。玄関をきちんと清掃しているということは「居住者・来訪者を気持ちよく迎える」という気配りの現れだと思います。

7 管理組合役員との密な連絡ができているか?
 管理員さんの重要な役割として管理会社と管理組合のパイプ役があります。担当者は毎日来ることなどできませんので、管理員さんが会社と組合の連絡・報告事項を密にすることで双方のコミュニケーションのズレを防ぐことが可能になります。

長くなりました。

管理員さんの業務はどんなことでしょうか?管理委託契約書の中身は見ていますか?

管理員さんは毎日の業務において何をしているのでしょうか?

マンションの管理員さんの役割は結構大きいものがあると私は思います。多くの居住者の皆さまが漠然と管理員さんの業務内容を捉えているのではないでしょうか?

きちんとその内容を知るには「管理委託契約書の管理員業務(別表第二)」に記載されている内容を見れば判ります。

国交省が定めた標準管理規約には以下のことが記載されています。(マンションによって異なります)

1 受付業務
 一 甲(管理組合のこと、以下同じ)の定める各種使用申込書の受理および報告
 二 甲が定める組合員等異動届出書の受理および報告
 三 宅配物の預かり・引き渡し
 四 利害関係人に対する管理規約などの閲覧
 五 共用部分の鍵の管理および貸し出し
 六 管理用備品の在庫管理
 七 引越し業者などに対する指示

2 点検業務
 一 建物、諸設備および諸施設の外観目視点検
 二 照明の点灯および消灯ならびに管球類等の点検
 三 諸設備の運転および作動状況の点検ならびにその記録
 四 無断駐車などの確認

3 立会業務
 一 外注業者の業務着手、履行の立ち会い
 二 ゴミ搬出時の際の立ち会い
 三 災害、事故等の処理の立ち会い

4 報告連絡業務
 一 甲の文書の配布又は掲示
 二 各種届出、点検結果、立ち会い結果などの報告
 三 災害、事故などの発生時の連絡、報告

その他清掃員を雇用していない場合などは日常の掃き拭き清掃(場所を選定して)を行う場合もあります。

以上が業務として記載されていることとなりますが、チェックしておくべき事項にはどんな事があるのでしょうか?

長くなりましたので続きは次回で

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