問題1│管理組合運営の不活性化問題
これ迄マンション管理組合の運営は、理事会を中心とした自らの「自治」に重点が置かれてきました。
理事会(区分所有者)が主導して適正に管理していくことが求められていたわけです。
しかし、理事会の運営を適正におこなうためには、周囲の人々との利害を調整するような調整力・折衝力も求められ、誰にでもできる簡単な作業というわけではありません。
ところが、居住者の高齢化が進み、これらの理事会運営を積極的に担える人が少なくなってくるという問題が生じます。
その結果として、管理組合の活動が滞ったり、管理会社や業者任せになってしまうなどの弊害が生じています。
問題2│経済力の低下と消極的な管理へ
加えて高齢者になると収入は年金収入のみとなり、現役世代に比べれば年収が低下するという傾向があります。
ましてマンションは、築年数が経過すればするほど修繕の必要性が増大していきます。
結果、管理にかかる費用が物価の上昇に加え増加していきます。
これを見込んで、管理費や修繕積立金の負担額を計画的に増やしていかなければなりません。
住人の収入が減っているのに加え、「残り少ない人生の中で将来を見越した修繕をしなくてもいいよ」
というような考えを持たれている居住者も少なくなく、このような消極的な思考から運営の足並みを揃えることが困難になっていきます。
ここは区分所有者の方たちの問題のとらえ方の問題です。
建替えをしてでも更なる資産価値を上げ、維持し子や孫のためにこれを残すのか?
はたまた自分の代で終の棲家として終わらせるのか?
敷地としての利用価値を含め総合的なとらえ方で考える必要があると思われます。
そのためには居住者の人達の価値観を統一して高齢者だけでなく若い世代の人達の意見を積極的に取り入れていく、そのような視点が必要でしょう。